私たちの目標
Moxaはネットゼロへのコミットメントを示すため、2023年12月に国際的な科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標設定イニシアチブ(Science-Based Targets Initiative、以下「SBTi」)にその約束を伝え、2024年末までに科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標(Science-Based Targets、以下「SBT」)を設定し、提出する予定です。これにより、Moxaの二酸化炭素排出量削減方法が国際的な傾向と一致し、2050年にネットゼロ目標を達成することを確かなものとします。
私たちの現状
2023年にMoxaは国際ISO 14064-1:2018に従い、組織的な温室効果ガス検証作業を推し進めました。Moxa組織内のオフィス及び生産工場におけるカテゴリー1及びカテゴリー2の温室効果ガスの排出を焦点とするほか、上流・下流サプライチェーンにおけるカテゴリー3から6の検証まで範囲を拡大しました。これには、原材料・生産におけるカーボンフットプリント、輸送ルートの追跡、委託生産の過程で生じる排出量等の調査が含まれます。
2023年度の温室効果ガス排出量は212,884トンCO2eとなり、排出源の98.07%はスコープ3(その他の間接排出)によるものでした。Moxaの運営と関連するスコープ1(直接排出)及びスコープ2(間接排出)については、温室効果ガス排出量の1.93%にすぎませんでした。スコープ3の排出データをさらに分析すると、「購入した製品・サービス(C1)」及び「販売した製品の使用(C11)」がスコープ3における排出量の90.03%を占めました。そのため、「購入した製品・サービス」及び「販売した製品の使用」が、Moxaがバリューチェーンにおける炭素排出削減を推進する際の鍵となります。この他にも、当社が運営により使用する電力についても重要な炭素削減策に組み込むことで、Moxaが模範となるべく行動します。
注1:スコープ31および2で調査する温室効果ガスは合計6種類あり、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)が含まれます。
注2:温室効果ガスの排出係数は台湾環境保護署の国家登録プラットフォームに公告された温室効果ガス排出係数管理表を基にしており、電力排出係数は経済部エネルギー局の公告を採用しています。
注3: 地球温暖化係数(GWP)はIPCC『第6次評価報告書』から引用しています。
注1:温室効果ガス(GHG)プロトコルは、温室効果ガス排出量を測定および管理するための世界的に認められたフレームワークです。世界資源研究所(WRI)と世界企業持続可能発展協議会(WBCSD)のパートナーシップによって開発され、企業、政府、および組織がGHG排出量を追跡するための包括的な基準とガイドラインを提供します。GHGプロトコルの企業バリューチェーン(スコープ3)標準は、15のカテゴリを識別しています。詳細は「Technical Guidance for Calculating Scope 3 Emissions」の文書をご参照ください。
注2: Moxaにおけるスコープ3の検証項目は、購入した製品・サービス(C1)、輸送・配送(上流)(C4)、事業から出る廃棄物の処理(C5)、出張(C6)、雇用者の通勤(C7)、輸送・配送(下流)(C9)、販売した製品の使用(C11)を含む7項目となっています。また、データ証明情報の取得可能性及び正確性を考慮するものとします。販売した製品の使用(C11)のデータに関し、2022年は外部調査が行われていませんが、2023年は外部調査を終えています。
私たちの戦略及び行動
2050ネットゼロ目標を実現するため、Moxaは温室効果ガス検証結果に従い、主要な排出源を「購入した製品・サービス」、「販売した製品の使用」及び「事業に必要な電力の使用」を含む3大項目に識別し、ネットゼロに向けた3大主要戦略及び9項目からなる低炭素行動を打ち出します。Moxaは「低炭素経営の実践」、「低炭素製品の設計」及び「低炭素バリューチェーンの推進」の3大主要戦略に取り組み、2050ネットゼロ目標を着実に達成していきます。
主要戦略 |
低炭素行動 |
説明 |
低炭素運営の実践 |
設備におけるエネルギー効率の向上 |
製造工場エリアにあるエネルギー消費設備を監視測定し、高エネルギー消費型設備の使用特性及びエネルギー使用について、定期的にエネルギーの効率評価を分析します。これを根拠としてエネルギー効率の調整及び改善を実施するものとし、またエネルギー効率が低い旧設備を新しいものに交換します。 |
エネルギー使用管理の最適化 |
製造工場エリア及びオフィスにおけるエネルギー使用行動(設備及び製造工程における運転状況、オフィスの照明及び空調におけるエネルギー使用の有効性等)を点検し、設備運転時間、頻繁なオンオフ、非効率的な照明や空調の使用を削減することで、エネルギー使用管理における最適化と改善を実施します。 |
再生可能エネルギーの使用 |
Moxaの今後における電力需要量を評価し、再生可能エネルギー使用目標を設定するとともに、再生可能エネルギーの調達について計画するものとします。 |
低炭素製品の設計 |
低エネルギー型製品の開発 |
製品のエネルギー消費分布を分析し、製品のエネルギー消費設計基準を定め、新製品開発の際に省エネルギーを考慮するものとします。また、旧製品における製品のエネルギー効率の向上のため、低エネルギー消費改善評価を実施するものとします。 |
原材料の削減 |
製品の材料構成に従い、製品の軽量化及びリサイクルまたは回収原材料使用の可能性を検討します。また、炭素排出量が多い原材料を炭素排出量が比較的低い原材料に交換できる可能性を評価します。 |
グリーンパッケージング設計 |
製品パッケージングにおけるパラメータ設計に従い環境にやさしい包装資材及び緩衝材を選択し、包装資材または緩衝材の使用量削減、包装資材体積の最適化により、製品パッケージングによる環境への負担を低減します。 |
製品モジュール化設計 |
製品モジュール化設計の推進により、材料の種類と部品の数量を減少させるとともに、部品の回収と再利用を容易にします。これにより、製品廃棄物の回収割合を高め、製品廃棄物の処理による炭素の排出を削減します。 |
低炭素バリューチェーンの推進 |
サプライチェーンにおける温室効果ガス排出削減の推進 |
下請事業者及び炭素排出量が多いサプライヤーと協力し、二酸化炭素排出量削減目標の設定及び温室効果ガス検証の実施を支援します。また、温室効果ガス排出削減の推進及びサプライチェーンにおける炭素削減パフォーマンスの定期的な追跡を支援します。 |
物流における温室効果ガス排出の削減 |
包装効率の向上、包装内における不要なスペースの削減により、輸送効率を向上させます。また、物流事業者が使用する輸送手段及び燃料を検証することで、温室効果ガス排出削減規則を設ける物流事業者または炭素排出量の削減を目指す物流事業者を選ぶことができます。 |
詳細な内容については、Moxa 2023サステナビリティ・レポート(英語版)の持続可能性に関する特集および3.1グリーン製造の章をご覧ください。