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バッテリーストレージが、将来のスマートグリッドの基盤となる理由

2024年7月29日
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エネルギー転換が世界的に加速するなか、現代のスマートグリッドにおけるBESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム)の重要性がますます高まっています。BESSは、スマートグリッドの負荷を分散し、安定させるうえで必要不可欠です。電力網(グリッド)の耐障害性と安定性の向上、マイクログリッドとオフグリッドシステムにおける信頼性の高い電力供給のサポート、バランスの取れた再生可能エネルギーの統合などが、スマートグリッド開発の目的として挙げられます。データフローとエネルギーフローのシームレスな統合をはじめとする、優れたデータ管理機能がこれらの目的を達成する鍵となります。リアルタイムでデータを収集、監視、分析、最適化することで、エネルギーシステムの効率的な運用と信頼性を実現することができます。

再生可能エネルギーの統合:柔軟な給電が電力不足を補う

風力発電や太陽光発電による電力供給は、天候、昼夜のサイクル、季節の変化による影響を受けやすく信頼性が高くないため、BESSは再生可能エネルギーの統合に必要不可欠です。BESSは、発電量が多ければ蓄電、不足していれば供給することで、電力網の安定性を確保します。3 GWhの巨大なエネルギー貯蔵施設を有するカリフォルニアは、太陽光発電エネルギーの統合に成功している一例です。太陽光発電を大規模に導入しているカリフォルニアでは、エネルギー量が日中のピーク時に過剰となり、夜間や曇りの日には不足するというケースが頻繁に起こります。同施設では、余分な太陽光エネルギーを貯蔵し、需要ピーク時に供給することで、太陽光エネルギーの不足を回避しエネルギー需要の変動を効率的に運用しています。エネルギーの柔軟な運用には、最適化された充放電プロセスと再生可能エネルギーの効率的な活用に加え、リアルタイムでエネルギーフローを監視、分析することが重要です。

電力網管理サポート:耐障害性と信頼性の向上

今日の電力網は、負荷の変動、機器の故障、自然災害など、さまざまな課題に直面しています。BESSは、迅速な対応が可能なバックアップ電源を備えているため、緊急時の迅速なグリッド復旧に対応しグリッドの耐障害性を高めます。ニューサウスウェールズ州に設置された電力網の耐障害性向上を目的とした、容量1.68 GWhのオーストラリア最大のバッテリー貯蔵プロジェクトを一例としてご説明します。この貯蔵システムは、電力網の需要にわずか数秒で対応できるため、予期しない機器の故障や負荷の変動が発生した場合、即座にバックアップ電力を供給することができます。また、新旧エネルギー源をバランスよく統合し、電力資源の配分を最適化しているため、ピーク時の負荷圧力を軽減しています。データ管理は、これらのプロセスで重要な役割を担っており、電力網とバッテリー状態をリアルタイムで監視、分析することで運用に関連する正確なガイダンスと予測を実現しています。そのため、システムを効率的に運用し、安定した電力供給を維持し、電力網の信頼性を高めています。

マイクログリッドとオフグリッドでの応用:局所的なエネルギー管理をサポート

遠隔地や発展途上国における電力供給は依然として大きな課題です。マイクログリッドやオフグリッドシステムにBESSを導入することで、持続可能かつ柔軟なソリューションが提供されるため、これらの地域でも信頼性に優れた電力供給を実現することができます。独立したエネルギーシステムを構築することで、BESSは安定した電力を効率的に供給できるため、社会経済の成長を促進するとともにエネルギー自給率を高めます。例えば、バハリヤ・オアシス(エジプト)のマイクログリッドBESSプロジェクトは、大規模な太陽光発電インバーターとエネルギー貯蔵システムを組み合わせ、地元企業向けのマイクログリッドを構築しています。地理的な制約や不十分なインフラを考慮し、現地の再生可能エネルギーを主要なエネルギー源として使用する必要がありました。このシステムは、太陽光発電を主としているためディーゼル発電機への依存を減らしています。そのため、環境への影響を大幅に低減するとともに、信頼性に優れた継続的なエネルギー供給を実現しました。このプロジェクトでは、包括的なOTデータを収集、分析することでエネルギー管理を向上し、メンテナンスの必要性を予測、コスト削減することで機器の寿命を延長しました。

データ管理:BESSを支えるインテリジェンス

データ管理は、BESSの効率的な運用においてコアとなる要素です。BESSは、データの収集、分析、管理によりエネルギーフロー、バッテリーの状態、システムパフォーマンスをリアルタイムで監視します。オペレータは、このデータを活用し充放電の最適なタイミングやエネルギー需要の予測における正確な意思決定を行います。さらに、効率的なデータ管理に基づいた予測メンテナンスが、システム保守性の向上、機器ライフサイクルを延長し、故障を低減するため、運用コストを削減することができます。今後、IoE(エネルギーのインターネット)とエネルギー転換がさらに進化するなか、データ管理は、BESSの運用効率と信頼性の向上における重要な役割を継続的に担い、将来のスマートグリッドにおける強固な基盤となるでしょう。

 

MoxaのBESSソリューションに関する詳細はこちらからご確認ください:https://www.moxa.com/bess

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