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信頼性の高い病院情報システム構築における3つの留意点

2023年1月16日
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近年の技術進歩により、医療業界はデジタル化に向け急速に進んでいます。手作業によるエラーを減らして業務効率を高める必要性が、電子健康記録(EHR, 訳注:電子カルテ(EMR)の情報に加えて検査情報やレセプト情報等も含み、他の医療機関や検診機関との情報連携を意図して設計されている仕組み)の開発に重きを置くデジタル化に拍車をかけています。EHRであれば患者情報をリアルタイムで容易に入手でき、医療スタッフの業務効率化を図ることができるため、新型コロナウイルスもまたEHRの需要を高める要因となりました。

しかし、EHRを開発するには複数の病院施設に分散した多数の医療機器から、大量のデータを収集する必要があります。そのため、今日、多くの病院運営者は病院情報システム(HIS)を開発することで、これらの広く分散した医療機器からデータを収集し、有用なデータをEHRへと変換しています。多くの医療機器にはシリアルインターフェースが搭載されており、最新のHISに対応するためにシリアル-イーサネット通信が利用されています。医療機器は、透析装置、血糖値や血圧のモニタリングシステム、医療用カート、診断用モバイルワークステーション、人工呼吸器、麻酔器、ECG(心電図)などを含むため、HISと医療機器をつなぐ信頼性の高い通信システムを開発することが重要です。信頼性の高い接続がなければ、HISは時間通りに正確なデータを受信し、適切なEHRへの情報提供ができません。そうした状況では、的確な診断を妨げ、治療プロセスの遅れにつながるため、EHR開発の目的にそぐわないものになってしまいます。シリアルデバイスサーバーは、シリアルベースの医療機器とイーサネットベースのHISをつなぐデータ転送において重要な役割を果たします。そのため、信頼性の高いシリアルデバイスサーバーを選択することは、信頼性の高い接続を実現するために重要です。本稿では、HISを開発する際に必要な接続ソリューションを選択する上で留意すべき3つのポイントと、これらのソリューションがどのように役立つかについてご紹介します。

留意点1: 常に移動する医療機器を接続する難しさ

多くの医療機器はさまざまな患者にサービスを提供するために、処置室から病室などさまざまな場所へ常に移動する必要があります。無線通信はこのようなモバイル医療機器接続の問題を解決します。つまり、無線接続をサポートするシリアルデバイスサーバーを使用することで、無線ネットワークを介してモバイル医療機器をHISに接続することができます。無線接続は便利である一方、安定した接続を維持するのは困難です。無線ネットワークを構築する際は、病院内に十分な数のアクセスポイント(AP)を設置することで、移動する医療機器の接続を維持する必要があります。医療機器が異なるAP間を移動する場合、シリアル-無線デバイスサーバーは高速ローミングを行い、切り替え時間を短縮し、切断の可能性を最小限に抑える必要があります。無線通信の切断や不安定な状況が発生するケースでは、ポートバッファリング機能がシリアルデータを保存し、無線接続が回復したタイミングで再送信するため、シリアル-無線通信に役立ちます。この機能はHISが医療機器から完全なシリアルデータを収集する際に非常に役立つため、シリアル-無線デバイスサーバーを選定する際は、この機能が搭載されているか確認されることをお勧めします。

留意点2: 患者の機密情報を不正アクセスから保護

通信を利用することで効率性が向上する一方、セキュリティの懸念も高まります。病院のシリアルデータには患者の機密情報が含まれているので適切な保護が必要です。そのため、シリアル-無線デバイスサーバーを選定する際は、無線通信で伝送中のデータを保護することが可能か確認するとよいでしょう。機能面では、安全な無線接続を構築するため無線ネットワーク上でシリアルデータを暗号化するWPA2プロトコルをサポートしているか確認してください。また、許可されたファームウェアのみをデバイスで実行することで、ハッキングされる可能性を最小限に抑えるセキュアブートも、シリアル-無線デバイスサーバーには必須の機能です。

留意点3: 通信システムを中断から保護

医療機器はシステムのダウンタイムに対する許容度が低いため、システムのダウンタイムを最小限に抑える十分な信頼性が備わったシリアル-無線デバイスサーバーを選択する必要があります。移動する医療用カートは絶えず衝撃や振動を受けます。そのため、カートに対し安定した電源入力を確保するための固定ネジを使用することが重要です。シリアルポート、電源入力、LANポートのサージ保護といった機能も、信頼性を向上させ、システムのダウンタイムを軽減します。

セキュアで信頼性の高いシリアル-無線デバイスサーバー

MoxaのNPort W2150A-W4/W2250A-W4シリーズ、シリアル-無線デバイスサーバーは、HISにセキュアかつ信頼性の高いシリアル-無線通信を提供します。このシリーズは シリアルベースの医療機器を最新のHISに容易に接続できる802.11 a/b/g/nデュアルバンドネットワーク接続が可能です。Moxaのシリアル-無線デバイスサーバーは高速ローミング機能をサポートし、異なる無線AP間で絶えず移動する医療用カートのシームレスな接続を実現することで、無線ネットワーク上のパケット損失を減らすことができます。また、オフラインポートバッファリング機能は、無線接続が不安定なケースでデータを保存するために最大20 Mbを提供します。Moxaのシリアル-無線デバイスサーバーはセキュアブートとWPA2プロトコルをサポートし、デバイスセキュリティと無線伝送セキュリティの両方を強化することで、機密性の高い患者情報を保護します。

産業用コネクティビティ・ソリューションプロバイダーであるMoxaのシリアル-無線デバイスサーバーは、電源入力用の固定ネジとサージ保護を提供し、デバイスの信頼性を強化することでシステムのダウンタイムを軽減します。

NPort W2150A-W4/W2250A-W4シリーズ、シリアル-無線デバイスサーバー

  • シリアルおよびイーサネットデバイスをIEEE 802.11a/b/g/nネットワークにリンク
  • 内蔵イーサネットまたはWLANを使用したWebベースの設定
  • Moxaが承認したファームウェアのみをデバイスで実行できるセキュアブート
  • WEP、WPA、WPA2によるセキュアなデータアクセス
  • 高速ローミングによりアクセスポイント間の迅速な自動切り替えが可能
  • オフラインポートのバッファリングとシリアルデータログ
  • シリアル、LAN、および電源に対する強化されたサージ保護
  • デュアル電源入力(ネジ式電源ジャック x 1、端子台 x 1)
  • 製品の寿命と品質を5年間保証

Moxaは、お客様が現在使用しているシリアルデバイスを将来のネットワークにおいても安心して使い続けられるよう、シリアル接続ソリューションを提供していくことをお約束します。新しいテクノロジーの開発、さまざまなOSドライバーのサポート、サイバーセキュリティ機能の強化を継続しているMoxaは、2030年以降もシリアル接続を提供できるよう尽力しています。Moxaのシリアル接続ソリューションについて、詳しくはこちらをご覧ください。

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