紹介
米国のヘンライコ郡では、既存の閉ループ交通信号制御システムを、NEMA TS2準拠の分散交通管理システムにアップグレードすることにしました。オペレータは中央の司令センターから、交通を制御する必要のある遠隔地の交通信号にアクセスして、リアルタイムで監視と緊急対応を行えます。この先進的な交通制御ネットワークは公衆網上に展開され、システム通信の完全性を確保するために、信頼性の高い接続だけでなく、VPNやファイアウォールのようなサイバーセキュリティ保護も必要とします。
システム要求
ヘンライコ郡の既存の交通制御システムは140か所の信号交差点から成っていますが、相互接続されているのは25か所のみであり、それ以外の115か所の交差点の信号制御回路は切り離されています。新しい信号ネットワークのアーキテクチャは分散型であり、中央のオペレーションセンターが現場の各交通信号制御機と通信できるようにします。さらに信号制御機は、時刻と連動したタイミング計画や現場交差点のタイミングパラメータを保存できる必要があります。
システムインテグレータは、交通信号制御機から交通オペレーションセンターへのデータ転送に、既存のISP公衆網を利用しました。そのため、通信にはモデムが必要となります。しかし、公衆網は交通制御ネットワークに潜在的なセキュリティの脅威をもたらします。セキュアなデータ通信には、VPNとファイアウォールによるセキュリティ対策が欠かせません。
アプリケーション要件
- NEMA TS2準拠の完全分散型システムへのアップグレード
- 交通信号および現場のほかの装置に対するリアルタイムのステータス更新
- 既存の信号制御機の相互接続通信におけるカバレッジの向上
- 通信の高信頼性および高セキュリティ
Moxaソリューション
オールインワン型のVPN/NAT/ファイアウォール/ルーター/スイッチデバイスである、EDR-810シリーズの産業用マルチポートセキュアルーターを、データ通信とデータセキュリティ用に各交差点の沿道の筐体に設置しました。EDR-810がサポートするTurbo Ringテクノロジーは、20 ms未満の復旧時間を実現し、リングタイプネットワークの通信信頼性を保証します。さらにEDR-810は、VPN機能やファイアウォール機能をサポートし、セキュアなリモートアクセスとクリティカルなフィールドデバイスの保護を実現します。
Moxaを選ぶ理由
Moxaの強み
- 最大10個のLANデバイス接続用ポート
- 20 MbpsのVPN帯域幅による、現場の筐体と中央の交通オペレーションセンターとの間のVPNトンネリング
- 2個のギガビットファイバポートと、RSTPおよびTurbo Ringテクノロジーにより、将来の拡張で光ファイバリングトポロジが推奨された場合に対応
- システムの稼働時間を最大限に延ばすデュアル冗長電源入力
- NEMA TS2準拠
EDR-810-VPN
産業用8+2Gマルチポートセキュアルーター
- オールインワン型のファイアウォール/NAT/VPN/ルーター/スイッチデバイス
- 10個のVPN接続によるセキュアなリモート管理
- PacketGuardテクノロジーによるModbus TCPパケットインスペクション
- Turbo Ringによる冗長リングトポロジの高速復旧
- 多数のWANポートおよびLANポートによる柔軟な構成
- -40~75°Cの動作温度範囲(Tモデル)
- NEMA TS2準拠