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分野を越えた統合の力:BESSが電力フローとデータフローを完璧に統合する方法

2023年11月13日
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世界各国の政府やエネルギー業界が、持続可能な開発、エネルギー転換という世界的なトレンドのため、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の導入を優先的に進めています。また、近年では、いくつかの国の政府が大規模なBESSシステムへの投資、開発を強化しています。

米国は、2022年にインフレ抑制法(IRA)を可決し、再生可能エネルギーと気候変動におけるプロジェクト支援のために3,700億ドルを超える大きな予算を割り当てました。これにより、投資の相殺額の最大30%がエネルギー貯蔵施設に充てられることになりました。中国は、国内のエネルギー貯蔵産業の成長を後押しするため、2025年までに30 GWのエネルギー貯蔵規模の達成を目指しています。これら世界的な動向の結果として、エネルギー貯蔵技術は、電力網システムの4つの主要な柱である「発電」「送電」「配電」「消費」に次ぐ第5の柱として広く認知されつつあります。

高度な電力インテリジェンス管理システム

今日のBESSは、進化を続けた結果、単純な充放電システムではなく「電力フロー」と「データフロー」を統合した高度な電力インテリジェンス管理システムとなりました。BESSの運用には、バッテリー管理や、発電所や電力網と情報交換する際のセキュアなネットワーク接続の確保が含まれ、これらすべてが電力使用の最適化に寄与します。一方で、この進化は、電力会社や自動化システムプロバイダーにネットワークやサイバーセキュリティに関する新たな課題をもたらしました。従来、ネットワーク送信の主な要件は「コネクティビティ」のみでしたが、BESSシステムと国内電力網との統合が進むにつれ、ネットワークの可用性とセキュリティに対する需要が劇的に高まりました。

幸い、近年の産業用ネットワークと産業用制御システムに対するサイバーセキュリティ技術は大幅に進歩し、重要な各インフラにシームレスに統合されています。本資料では、多くのBESSプロバイダーがシステム設計時に考慮すべき4つのネットワーク技術要件をご説明します。

  1. ネットワーク通信に関連するインジケーターの監視:度なネットワークスイッチを使用することで、光電力やネットワークのパケットエラー率など、ポイントツーポイント通信の重要なインジケーターをリアルタイムで監視することができます。これらのインジケーターは、システム動作のリアルタイムな状態だけでなく、潜在的なハードウェア障害やネットワーク干渉を警告してくれます。例えば、光電力の異常は、光ファイバトランスミッタの障害を予兆し、オンサイトの配線に問題がある可能性を示します。これにより、早期の検査、介入が可能となり、通信の中断を防ぎつつ、BESSシステムのスムーズな運用を継続することができます。
  2. 高可用性ネットワークアーキテクチャ:業用イーサネットは、BESSと電力グリッド間のリアルタイム通信の要件に対応させるため、ミリ秒レベルのバックアップネットワークアーキテクチャで設計されます。この構造により、安定した通信をリアルタイムで実現するだけでなく、ネットワーク障害時にバックアップネットワークにすばやく切り替えることで、中断のないデータフローを確保することができます。また、PRP/HSRのゼロパケット損失技術が、変電所と通信する際のBESSネットワークの信頼性を向上します。
  3. 機器のIP管理を簡素化することで、ネットワークセキュリティを強化:大規模なBESSには、しばしば多数のネットワークデバイスが搭載されており、NAT(ネットワークアドレス変換)機能により、IPの構成、管理を簡素化することができます。NATにより、バッテリーストレージコンテナ内の複数のデバイスがIPアドレスを共有し、内部ネットワークを潜在的な攻撃者から隠すことで、ネットワーク全体のセキュリティを強化できます。
  4. 産業用制御システムのサイバーセキュリティに対する国際的な標準、仕様に準拠:近年、産業用制御システムにおいてサイバーセキュリティの意識が高まっており、IEC 62443など多くの新しい産業用制御システムのサイバーセキュリティ標準が国際的に広く受け入れられ、重要な電力インフラに適用されています。これらの標準は、個々の製品、システム全体の保護、および長期的な安全管理に関するサイバーセキュリティエンジニアリングの概念全体をカバーしています。

結論として、技術の急激な進歩とエネルギー転換のトレンドにより、電力システムにおけるBESSの役割はますます重要になっています。BESS運用の成功は、電気化学、自動化、ネットワーク通信などのさまざまな分野の専門知識の統合にかかっています。分野の垣根を越えたコラボレーションは、運用効率、セキュリティ、持続可能性を確保しつつ、将来のエネルギーニーズを確実に満たすBESS技術に向けて、業界横断的な人材の採用が重要であることを浮き彫りにしています。

詳細は、Moxaのバッテリーエネルギー貯蔵システムのポータルサイトをご覧ください。

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