紹介
ある世界的な港湾オペレータは、自社のクレーン光学文字認識(OCR)システムにおいて信頼性の極めて高いデータ伝送を実現するため、MoxaのPoEスイッチを選定しました。このクレーンOCRシステムは、港湾ターミナルにおける貨物コンテナの積み卸しを追跡および監視するために使用されます。信頼性の高いOCRシステムは、貨物の取り扱いプロセスを自動化するための鍵となり、船上から陸上へのコンテナの移送効率を向上させ、作業者の労働災害を削減します。これらのメリットを実現するため、港湾システムインテグレータは、信頼性の高いクレーンOCRシステムを構築するうえで避けられない課題を克服する必要がありました。例えば、多くの障壁を伴う環境での配線の展開、さまざまな高解像度屋外カメラへの電源供給、信頼性の高いデータ伝送の実現、メンテナンスにかかる労力の削減などです。
システム要求
- 多数の配線を展開するときに生じる障壁を克服するための、Power over Ethernet(PoE)スイッチ
- PTZカメラなどの、コンテナの正確な認識に必要な高解像度カメラを備え付けられるようにする、1ポートあたり60 Wの電源出力
- 屋外環境や塩分濃度の高い海辺の空気にも耐えられる堅牢なスイッチ
- リアルタイムでの画像データの処理と伝送を保証する信頼性の高いネットワーク
- オペレータがクレーンOCRシステムのネットワークをリモートで効果的に可視化および管理できる、使いやすいネットワーク管理ソフトウェア
Moxaソリューション
コンテナのチェックプロセスを自動化するため、このクレーンOCRシステムでは多数のカメラを配備し、通過するコンテナすべての画像を各コンテナのシリアル番号を含めてさまざまな角度からキャプチャします。これらのカメラの一部は高解像度のPTZカメラであり、使用するには、1ポートあたり60 Wの電源入力などの厳しい要件を満たす必要があります。Moxaはカメラに関するあらゆる要件を満たす、スイッチ製品の包括的なポートフォリオを提供しました。ソリューションの例としては、1ポートあたり最大60 Wの高電源出力を提供するマネージドスイッチEDS-P506E-4PoEがあります。高電力が要求されない場合は、このほかにもコスト効率に優れた選択肢として、8つのPoEポートを備えたマネージドスイッチEDS-P510A-8PoEなどを使用できます。これらのマネージドスイッチはMTBFが長く、大抵の屋外クレーンシステムが使用されているような過酷な環境にも耐えることができます。さらに、MoxaのPoEマネージドスイッチは組み込みの「スマートPoE」機能を搭載しており、受電機器(PD)のリモート管理(PDの状態監視、リモートでのPoEポートの電源投入、PoEポートの電源投入のスケジューリングなど)をサポートしています。これらのスイッチはあらゆるシステム要件を満たすだけでなく、円滑なオペレーションを実現し、全体のメンテナンス費用を削減します。
さらに、画像をリアルタイムで港湾ターミナルのリモートコントロールセンターに送り返して詳しい識別と分析を行えるようにするための信頼性の高いデータ伝送も必要となります。Moxaの冗長化テクノロジーであるTurbo RingとTurbo Chainは、ネットワークを伝送障害から保護することを目的に設計されています。Turbo RingとTurbo Chainはどちらもミリ秒レベルの高速復旧をサポートし、画像データが中断なく伝送されることを保証します。ですが、冗長化テクノロジーのみでは対処しきれない場合もあります。例えばデバイスの動作が異常をきたしたり、有線通信が切断されたりすることがあるかも知れません。
システム管理者は、Moxaの使いやすいグラフィカルネットワーク管理ソフトウェアMXviewまたはMXview ToGoを使用して、クレーンOCRシステムのネットワークをリモートでわかりやすく可視化し、迅速に洞察を得て、ネットワークの問題を解決するために必要な措置を講じることができます。
Moxaを選ぶ理由
- Moxaはカメラに関するあらゆる要件を満たすスイッチ製品の包括的なPoEスイッチポートフォリオを提供
- 複数のカメラを接続するための最大4つの60 W PoEポート(最大供給電力180 W)をサポート
- MoxaのPoEスイッチは高度なEMI/サージ保護機能を備え、-40~75°Cの動作温度範囲を保証し、過酷な屋外環境に最適
- PDエラーの自動検出とデバイスの再起動によるネットワークの復旧をサポートし、手動での検査やメンテナンスが不要
- Moxaの冗長化テクノロジーTurbo RingとTurbo Chainが信頼性の高いデータ伝送を保証
- Moxaのネットワーク管理ソフトウェアMXviewとMXview ToGoにより、クレーンOCRシステムの状態をリモートから時間や場所を問わずに可視化可能