紹介
工場には多くの自動マテリアルハンドリング(AMH)システムが実装され、生産性の向上に役立っています。AGV(無人搬送車)は、工場内のロジスティクスで使用される一般的なAMHシステムであり、これによりオペレーションの精度と効率が向上します。アジアでロジスティクスサービスを提供するあるお客様は、倉庫へのAGVシステム導入を検討していました。同社の目的は、顧客にリアルタイムの商品配送を提供し、小売店での在庫ゼロを達成できるようにすることでした。
AGVシステムは、コントロールセンターとの通信を無線ネットワークに依存しています。デバイスに1か所でも障害が発生すると無線接続が中断され、商品の配送が遅れて運用コストが増加してしまいます。AGVシステムを活用するためには、AGVの走行中もシームレスな無線通信が可能な信頼性と堅牢性がワイヤレスデバイスに備わっていなければなりません。
システム要求
- AGVシステムが倉庫内で走行中に異なるアクセスポイント(AP)間の無線接続を確保できるシームレスなローミング機能が必須
- ユーザーがローミングパラメータを調整することで、さまざまな導入場所の要件に適応できること
- AGVシステムのモーターから発生される突入電流による干渉から無線デバイスを保護する絶縁設計
- 常時走行の条件下での継続的な無線デバイスの動作を保証する防振設計
Moxaソリューション
倉庫でAGVシステムを使えるようにするには、信頼性の高い無線ネットワークが必要です。信頼性の高い無線ネットワークが形成されるかどうかは、APやクライアント(デバイス)とは異なる要件によって決まります。この事例では、AWK-3131A無線デバイスがAPとして使用され、Wi-Fiカバレッジを提供しています。AWK-3131Aは2x2 MIMOアンテナ出力を備えた802.11nをサポートし、Wi-Fi通信のカバレッジをさらに拡大することができます。さらに、データ転送速度300Mbpsの十分な帯域幅を提供し、将来のシステム拡張に備えてさまざまなオプションに対応できます。5GHzチャネルをサポートすることで、AGVシステムは飽和状態のの2.4GHz周波数よりもクリーンな環境で動作できます。AGVシステムに最適な無線クライアントであるAWK-1131A無線デバイスには、コンパクト、堅牢性、モビリティという3つの利点があります。
車両システムはスペースが限られているため、AGVシステムにフィットするコンパクトな無線デバイスが必要です。当社のAWK-1131Aは小型のため、理想的なソリューションと言えます。AWK-1131Aの堅牢設計は、過酷な車載環境に耐えることができます。このデバイスは電源ポートとアンテナポートを分離することで、予期しない電気的干渉を回避できます。たとえば、無線デバイスがモーターと同じ電源を共有している場合、モーターから発生する突入電流が原因で無線通信がすぐに中断される可能性があります。無線デバイスには、電源ポートに500ボルトの絶縁と、アンテナポートにレベル4のESDが備わっているため、不要な電荷を隔離できます。
さらに重要なのが、デバイスモビリティの最適化がAGVシステムの大きな関心事だということです。AWK-1131Aは、AP間で150ミリ秒のハンドオフ時間を提供するクライアントベースのTurbo Roaming技術をサポートしているため、倉庫でのシームレスなモバイル動作を可能にします。
Moxaを選ぶ理由
- Turbo Roaming技術によりハンドオフ時間がミリ秒レベルになり、走行中のシームレスなAGVシステム動作を実現
- 設定可能なローミングしきい値により、さまざまな規模の場所で信頼性の高いローミングパフォーマンスを確保
- 電源ポートに500ボルトの絶縁、アンテナポートにレベル4のESDが備わり、AGVシステムの電気的干渉に耐えることができ、安全に統合可能
- 最大300MbpsのスループットレートとMIMOテクノロジーにより、AGVシステムのWi-Fiカバレッジを最大化し、コスト削減と将来性のあるテクノロジーを実現
- IEC 60068-2-6規格に準拠した防振設計で、常時移動している状態での無線通信を保護