紹介
鉄道産業大手の一社は、あるインドの地下鉄用通信ネットワークを開発する必要がありました。乗客の安全を強化するため、このネットワークは、コントロールセンターからのリアルタイム監視機能を備えた最先端のCCTV監視システムをサポートできる必要がありました。このプロジェクトでは、鉄道規格の認証を取得した車載無線クライアントや、沿線の無線ユニット、沿線のイーサネットスイッチに接続するため、信頼性の高い列車-地上間無線ネットワークが求められます。この車載無線クライアントは、常に移動を続ける列車でのビデオデータのスムーズな伝送を保証するため、シームレスローミング機能、無線ネットワークの冗長性、十分な帯域幅を備えている必要があります。沿線ネットワークについては、沿線からコントロールセンターへのデータ伝送時のパケットロスを回避するための、冗長ネットワークトポロジが要求されます。
システム要求
- 最大12 Mbpsでビデオデータを伝送できる無線デバイス
- 列車運行中のビデオ映像のシームレスな伝送を保証する高速ローミングメカニズム
- コントロールセンターからのリアルタイム監視のサポートを目的とした、列車-地上間通信のためのネットワーク冗長化メカニズム
Moxaソリューション
この企業による信頼性の高い列車-地上間無線ネットワーク開発を支援するため、Moxaは列車内や線路沿いに展開される、鉄道規格の認証を取得した各種の製品を提供しました。このプロジェクトのためにカスタマイズされたMoxaのAWK-4121*シリーズは、12 Mbpsのスループットを提供してビデオデータを沿線へとシームレスに伝送する車載無線クライアントとして使用されました。また50 msのハンドオフ時間をサポートするWAC-2004コントローラをコントロールセンターに設置し、これを補完しました。さらに、MoxaのAWK-4121*シリーズをカスタマイズした無線クライアントは、接続時間が300 ms未満の信頼性の高い無線ネットワークフェイルオーバーを保証するAeroLink Protectionを搭載しています。沿線無線ユニットTAP-6226**は、列車内のビデオデータを収集するための無線APとして機能しました。また組み込みのファイバイーサネットスイッチは、ファイバネットワークバックボーンへのビデオデータの伝送に使用されました。この地下鉄の線路は全長25 kmを超えることから、スムーズなデータ伝送を保証するために、ネットワークバックボーンには高帯域幅能力を持つ各種スイッチが必要となります。IKS-G6524Aレイヤー2フルギガビットラックマウントスイッチが線路沿いに展開されるとともに、ICS-G7828Aレイヤー3フルギガビットラックマウントスイッチをファイバネットワークバックボーンで使用して、Turbo Chainトポロジが構築されました。さらに、Moxaの堅牢な沿線無線ユニットTAP-6226**により、100 ms未満の復旧時間を保証することでネットワーク冗長性を実現しました。
Moxaが提供した製品はすべて、列車内および沿線の過酷な環境に耐える堅牢な設計となっています。当社の製品は、強い振動への耐性、最大-40~75°Cの動作温度範囲、IP68等級の製品をはじめとする防水設計を特長としています。独自のネットワーク技術、鉄道規格の認証を取得した製品、そして誠実な顧客サービスにより、Moxaはお客様が列車内の乗客の安全性を強化する信頼性の高いCCTV通信システムを開発できるよう支援します。
Moxaを選ぶ理由
- IEEE 802.11a/b/g規格に準拠し、12 Mbpsのスループットを確保
- コントローラを利用したTurbo Roamingテクノロジーによる50 ms未満のローミングハンドオフ
- Turbo Chainトポロジにより、沿線での高速ネットワーク復旧(100 ms未満)を実現
- AeroLink Protectionが列車-地上間ネットワーク通信用無線ネットワークフェイルオーバーメカニズム(300 ms以下)を提供
- 屋外アプリケーション用のIP68等級の製品
- -40~75°Cの広範な動作温度範囲(Tモデル)
- TAP-6226**無線ユニットとAWK-4121*シリーズの無線クライアントがEN 50155規格の関連部分に適合
- EN 50121-4準拠のフルギガビットイーサネットスイッチIKS-G6524AおよびICS-G7824A
*カスタムAWK-4121の販売は終了いたしました。後継モデルはTAP-213です。
**TAP-6226の販売は終了いたしました。後継モデルはTAP-213です。