紹介
物理環境からの入力データをリアルタイムで取得
HVAC(暖房、換気、および空調)とは、屋内や車両の快適性に関するテクノロジーのことです。 ハイパーマーケット(大型スーパーマーケット)ではHVACシステムが主に使用され、買い物客が快適に過ごせるように室内の空気環境を調節します。しかし同時に、HVACシステムは大量のエネルギーを消費します。エネルギー消費を最適化するために、従来のHVACシステムはエネルギー使用データの収集を一定期間ごとに行っています。従来のシステムはエネルギー消費データの取得に優れている一方で、データを解釈してその先のアクションを決定するような、ルールにのっとったロジック機能を有していません。そのため、ほとんどのHVACシステムは、冷却器、ポンプ、ファンといった基本的な機器がネットワークに接続されていないため、オペレータがその時点の環境温度に基づいてシステムを手動で調整しています。リアルタイムでデータを取得するセンサーの導入は単純ではありません。ネットワーク内には多種多様なプロトコルがあり、そのプロトコル間の相互運用は容易ではなく、この課題を克服するためのアップグレードは非常にコストがかかるからです。もう1つの大きなハードルとなっているのが、省エネルギーを完全に最適化するために、自動的に調整された設定を通じてデータをタイムリーな応答に変換する必要があることです。あるハイパーマーケットでは、冷却器、ポンプ、ファン、センサーを接続して、ハイパーマーケットのリアルタイムの温度と営業時間に基づいてHVACシステムの自動での需要応答制御を可能にし、冷却器システムの稼働時間を短縮してエネルギーを節約し、運用コストを削減できるような産業用IoT(IIoT)ソリューションを必要としていました。
システム要求
- ハイパーマーケットの営業時間と現在の環境状況に応じてHVACシステムを自動的に制御するためのタイムリーな応答
- HVACシステムからデータ(水冷式冷却器の温度、消費電力など)を取得して分析することにより、時間帯・施設内の場所を問わずエネルギー使用量を追跡し継続的なエネルギー効率の確保
Moxaソリューション
最小限のプログラミング作業で常時エネルギー効率を向上
物理環境に測温抵抗体(RTD)センサー、電力計、イーサネットリモートI/Oを導入することにより、環境温度、水冷式冷却器の温度、ポンプ速度、および電力消費量に関するリアルタイムのシリアル、デジタル、およびアナログデータを取得してデータベースに送信し、その先のアクションを決定できます。
ハイパーマーケット内のリアルタイムの温度に基づいて、冷却器、ポンプ、およびファンの設定調整を自動的に行うことができるよう、スマートHVACの機能を制御するコマンドは、イーサネットリモートI/O(ioLogikシリーズ)の1つであるプログラミング不要の制御ロジック、Click&Go Plusによって設定できます。DIチャネルは、冷却器、ポンプ、およびファンのマシンステータスを監視します。DOチャネルは、ハイパーマーケット内の温度測定値を取得するイーサネットリモートI/O(ioLogik E1260)から得られる情報に基づいて、冷却器、ポンプ、およびファンの設定を制御します。Click&Go Plusは、営業時間に合わせてHVACシステムを運用できるという点からも、ハイパーマーケットにとってメリットとなります。Moxaのソリューションのもう1つの重要な特長は、I/Oおよびシリアル接続デバイスのデータ(電力計など)をMySQLデータベースに送信して、Webサーバーを介しシステムとエネルギー使用状況を表示できることです。現場のOTデータを収集し、Moxaのデータ収集スイート(MX-AOPCスイート)を介してデータベースに送信することで、システムインテグレーターの作業負担を大幅に削減します。さらに、顧客側は従来のHVACのOTシステムをIIoTネットワークに接続できます。
ハイパーマーケットの管理者はWebコンソールにログインし、HVACシステム全体と省エネルギー量を監視できます。HVACシステムをリモートで監視できるようになれば、定期検査のためにエンジニアを派遣する必要がなくなります。早急な対応が必要な問題が発生した場合にのみエンジニアを派遣すればよいのです。これらの特長はどちらも、エンドユーザーが維持管理のトータルコストを大幅に削減するのに役立ちます。
Moxaを選ぶ理由
- プログラミング不要の制御ロジックで使いやすいClick&Go Plusによって、ハイパーマーケットの最新の環境条件に基づきHVACシステムを自動的に制御
- 拡張機能により、1つのデバイス(DI/DO、AI/AO、RS-485、イーサネットなど)でさまざまなインターフェースとプロトコルをサポート
- デイジーチェーントポロジにより、実装コストと人件費を節約
- I/OおよびRS-485のメーターからのデータをMX-AOPC UAサーバーにアクティブタグで送信してHMI統合を実現